2021年1月からはじまり、約3ヶ月間おこなった「おうちSTEAMプログラム」。
私たちはこれまで「子どもにどうなってほしいか」よりも「親としてどうありたいか」「親として家庭内教育をどうしていくか」を考えてきました。
そんな、わたしたちの後日談。
判断軸・環境・価値観を深掘りして考え、見つめ直し、シェアし合う中でそれぞれの家庭と子どもに合った暮らしと「学び方」をつくってきました。最終発表会をおえて「振り返りとディスカッションをしたい」という声から座談会を開催しました。
座談会前半ではメンバーによるおうちSTEAMのシェアと振り返りを行い、後半はプログラム最終日での問い「おうちSTEAM 4つのキーポイント」についてディスカッションを行いました。
今回は座談会前半の模様をレポートします。
>日常に溶け込むSTEAMを発見した3ヶ月【おうちSTEAM2021】最終日レポート
|観察からうまれた「好き」をテーマにしたアート体験(Kana/6歳3ヶ月)
プログラム最終日の発表会と卒園式が重なってしまったため、当日参加できなかったのですが、今回シェアできるということでぜひ発表させていただきます。
このプログラムの中で「こどもを観察する」というワークがあったのですが、私はそこから「子どもが好きなもの」をテーマにした体験をつくりました。
一つ目は「英語でアートを一緒に楽しむ」。
生まれたときから英語にふれているのと、本人が絵を描くことが好きなのでこの体験を取り入れました。
サポートの工夫点としては、図鑑や動画(Youtube)で描くテーマのワクワクをふくらませました。たとえばクラゲを描くとすると、動画を見て「どのような形でどのような動きなのか?」を一緒に観察しました。
他には、イタリアのブーツを描くというテーマがあったときに娘が地球儀を持ってきて「イタリアどこにあるかな?」と一緒に探したりしました。
絵を描いているときの娘を観察すると、色を混ぜるときに大興奮で「とにかく混ぜたい!」とワクワクしていました。
ライトグリーンからダークグリーンまで色の濃淡を自分で作っていくことは数学につながっていると感じましたし、アートの回数を重ねることで筆の使い方や塗り分けが上手になっていきました。
家庭でのアート時間の敷居が低くなって、牛乳パックや卵パックをパレットにして気軽にアートを楽しむようになりました。パレットの水洗いをなくしたことは、エコの観点からもとても良い傾向だなと感じてます。
いつもは一通りアート時間を終えたら「はいお片付けするよ〜」と言っていたのですが、ある日「こんなこともできそうだね、自由にやってみてね」と伝えて私は夕飯の支度をしていたんです。
すると娘は自由にフィンガーペイントを楽しんでユニコーンの素敵な作品を描いて見せに来てくれました。
そのときに「子どものワクワクを安易に止めちゃいけないんだな」と気づきがあり、これからも娘のワクワクする気持ちや好きを伸ばしていきたいと思いました。
フィンガーペイントを楽しんで描いたユニコーンの作品
|自然にふれることで環境問題について興味を持つきっかけに。(Kana)
二つ目は「父と娘の魚釣り」です。これは夫と娘が行った体験です。
夫が娘と一緒にアウトドア経験を楽しみたいという気持ちから、魚釣り体験をSTEAMとつなげて考えてみるとより楽しめるのではないか?と思ったのがきっかけです。
また「生き物をいただくことがどういうことか?」を身近に感じて欲しかったですし、他の家族とのコミュニケーションを楽しんでほしいという気持ちもありました。
大きい魚や小さい魚など、生態を感じる体験になったのと、小さい魚が釣れた時に「これはまだ釣らないで戻そうね」という会話、パパと二人で船で過ごしたこと、魚をさわったり自然の中でワクワクを共有したこと、魚をさばくパパのかっこいいところを見せられたのがよかったです!
魚釣りから帰ったあと、釣りのボートを自ら工作して、海で体験したことを再現して私にも教えてくれました。こちらから声かけをしていなくても「大きな段ボールが欲しい!」と伝えてきて表現したことには驚きました。
魚もたくさん作って釣りを再現
印象的だったのは、後日「ママ、海の中にプラスチックがあったんだよ」と突然言われたことです。以前読んでいた「プラスチックのうみ」という絵本を読んでいたことを覚えていたらしく、それを思い出して教えてくれたんです。
「自然の中で遊ぶことは環境問題を考える基礎体験になる」という言葉を聞いたことがあって、本当にそうだなと感じました。海や森が少ない環境に住んでいるので、「海にプラスチックが浮いていた」というリアルな体験として持てたのは本当によかったなと思いました。
|どんな興味の種に繋がってるのかな?と前向きに考えられるように(erica)
私の振り返りをシェアすると、この3ヶ月間いろんな体験を試してみる中で、子どもの好奇心の種を拾えるようになりました。
例えば、娘はいたずらっ子なんですが、いたずらをされても「どんな興味の種に繋がってるのかな?」と前向きに考えられるようになったのがいい変化ですね。
プログラムをきっかけに始めたワクワク体験の「庭いじり」が、今でも体験を重ねる習慣になっていますし、子どもに対して前向きな声かけや子どもと向き合う時間を大事にする意識がより強くなりました。
今までは「家事をしながら」や「スマホを見ながら」など「ながら時間」になりがちだったのが、子どもとの時間に集中して一緒に向き合う時間がつくれるようになってきたのがよかったです。これからも子どもと過ごす時間を大事にしたいなと感じてます。
ー「おうちSTEAM 4つのキーポイント」をディスカッションした座談会後半に続きます。