2022年12月4日より、『おうちSTEAMプログラム2022/WINTER』がスタート。ワークやメンバーだけのおしゃべり会に加え、ゲストをお招きした座談会も複数開催しています。
今回の座談会は、アメリカで7歳&1歳のお子さんを子育て中のあきかさんをゲストにお迎えしました。アメリカの小学校の様子、リアルな子育て事情、本場のSTEAM環境など…盛り沢山でお話頂いた当日の様子を一部お届けします。
私たちが日本にいながらも取り入れられそうなエッセンスを探り、終始メンバーからの質問・意見交換で大盛り上がりの時間となりました。
🌈 [本日のゲスト] あきかさん
アメリカでの子育て・おうち英語についても綴られているブログはこちら。
ブログ: Famipedia.
|子育てで大事にしていることはなんですか?(チェックイン)
座談会では、まず「チェックイン」で全員が自分の考えていること・感じていることをシェアします。他のメンバーの意見を聞き、自分の意見を整理する。話しながらまとめていくこともあり、ゆっくり言葉にしていくことで「自分の子育て観」を改めて再確認します。今回の座談会は「私たちが子育てで大事にしていること」からスタート。
〈メンバーの声はこのようなものが。〉
日々子どもがやりたいということをやらせてあげたいです。とはいえ、今後集団行動もやっていくのでルールや「やるべきことをやった上で、やりたいことをやっていくんだよ」というようなバランスを大事にした子育てを意識しています。
私が子どもの時よりも、色々なことが早いなと感じています。
子ども同士でLINEを交換したり、色々な情報がすぐ目の前にあって、何が正しいことなのかが判断しずらくなっているなと感じることが多いです。子どもが自分で選べるようになってほしいですし、自分で選び取るためにはたくさんのことを知っておかないと選べないのだろうと思います。大事にしていることを、どのように伝え、繋げていけばよいのか、私自身勉強中で迷っています。
改めて「何を大事にしているんだっけ?」と言葉にすること・他メンバーの意見を聞くことで「子育て観」を再発見する時間に。
ー 続いて、ゲスト・あきかさんのお話へ
|アメリカの小学校は日本とどう違う?
4つのテーマで日本とアメリカの違いについてお話頂きました。お話頂いた内容を一部抜粋してご紹介します。
アメリカの小学校では、室外の広場で休憩タイムやお昼時間を、学年問わずみんなで一緒に楽しんでいます。基本的に室内ではお昼を食べず、みんな広場で食事をして外で遊んでいます。
「スナックタイム」というのが1日2回あるのですが、そこでは雑談を楽しんだり、先生も子どもたちと同じ場所でお菓子を食べたり、次の教科の準備をしているそうです。
● このようなことをお話頂きました。
❗️ 驚きの新学期登校日
❗️ 校長先生を囲む会ではスタバが…
❗️ 先生からのお手紙内容
日本との違いを感じるのは、学校と保護者の距離がすごく近いんです。例えば、校長先生から週に一度必ずメールが届きます。そして担任の先生からはカラフルなお手紙でメッセージが届きます。
校長先生はとてもカジュアルでいつも校内をウロウロしていて、親とハイタッチしたり、子どもとハグしたりしています。校長先生や担任の先生は楽しんで仕事をしていて、疲弊している姿・怒っている顔は見たことがありません。
|常に「自分の意見」が求められる環境で育つ子どもたち
学校では「自分が好きなものはなにか?」等、与えられたテーマで自分の言葉で伝えることが求められています。
例えば、家から自分が好きなものを100個集めてきて、自分の好きを伝えようという時間があります。それらをお友達に見せて、自分のことを知ってもらうんです。
この時間では必ず質問をし合うことを先生が案内していて「仲間を理解する」ということを大事にしているようです。
先生からは「質問しないのは相手に興味がないこと」と言われているようで、アメリカでは子どもたちが実際に物にふれてみたり、自分のワークを友達にみてもらう経験・体験を通して学んでいる姿が印象的です。
とてもユニークなのが、2ヶ月に一度テーマが与えられる『おもしろテーマ登校日』です。「この格好をして登校してください」というメールが届くんですよ。
🌈 Wacky hair day
風変わりの髪型で登校するそう。髪の毛を全部緑にして「人魚姫になりました🧜♀️!」という子や、頭をアメリカの国旗にしている子も🇺🇸
👕ちぐはぐアウトフィット
恥ずかしがらずに自己表現しよう!と、ちぐはぐな格好で登校する日。左右違う靴下🧦や、右はスリッパ・左はジョーダンの靴という子も🥾
ー 他にはこんなテーマも…
🎓有名大学Tシャツ
😎なりきりキャラクター
🌺ハワイアン
〈メンバーからも笑みが…とてもユニークなアメリカの登校日。シェアされた写真を見ているだけで楽しめます(笑)〉
表現という点でいうと、記念日には学校で手紙を書いて持って帰ってきてくれます。
例えば母の日に貰った手紙は、表面は切り絵やアートの作品になっており、裏面は「I love your hugs more than [〇〇〇]」など具体的にイメージできる描写でメッセージを書くことができる手紙になっているんです。
子どもは「I love your hugs more than [space](宇宙よりお母さんのハグが好き!)」と書いてくれていて、言葉の表現がとても素敵だなと感じました。とても嬉しかったことを覚えています。
|「みんな違ってみんないい」多様性を大事にした授業
小学校に通う子どもたちの人種もさまざまですし、文化や考え方も全く違うので「一つの正解」というのがありません。ですので、お互いの考え方を尊重することを学校側がものすごく意識しています。
学校ではグループワークをすごく大事にしているのですが、アメリカは飛び級もあるので「みんな同じ」「平均的なレベルを求める」ということは目指していません。ある一定のところまでは一緒に行い、あとはそれぞれが自由にする個別対応が多いです。
● このようなことをお話頂きました。
🏫 授業の進み方
🏫 ファシリテーション
🏫 グループワークと個別対応のバランス
🏫 先生が必ずチェックしていること
🏫 語彙・発音・自己表現
各自取り組んだ内容を少人数グループでシェアし、再度全体で見ることによって、グループ内で発表した時とはまた違う捉え方になることを学びます。先生が大事にしているのは「自由に発言させること」と「まずは大人が子どもの話に耳を傾けること」だそうです。
先生がやったことや、答えをみせて「これをやってください」というものではなく自分がどうしたらいいかを考える。みんなのワークを見て先生である大人が認めて、学びを深めるということをやっているようです。
|とても身近にあるSTEAM教育
身近にSTEAMを感じるのが「イベント」です。学校と子どもたち・保護者で一緒にイベントを創り上げます。
● このようなことをお話頂きました。
🌈 学校イベントの創り方
🌈 ものづくりと流通を経験
🌈 寄付の仕組み
🌈 たのしくMATH × ART
🌈 コミュニケーションの学び方
🌈 保護者とボランティア
また、小学校では自由研究発表会があります。
自分の研究を表現したボードがズラリと並べられ、手前に実験に使用するボトル等が置いてあります。
自由研究発表会では、子どもたちが自分の研究についてその場で再度実験を行うんです。一回だけでなく何度も再現できるか?を見せてくれます。再現できなかった場合は「なぜできないんだろう?」「ぼくのサイエンスは何が足りないのだろう?」と子どもがさらに学びを深めていきます。
最終的なボードへのまとめ方には個性が出ていて、写真を使って全面的に視覚に訴える子もいれば、全て手書きでまとめる子もいます。子どもたちは、見たまま・感じたままをそのまま書いていて、完璧な文章というより、拙くても自分の言葉で伝えるということを大事にしています。
● このようなことをお話頂きました。
🧪 研究テーマの選び方
🧪 研究ボードまとめ方のお約束
🧪 先生から言われていること
🧪 保護者のサポート内容
🧪 子どもが主体性を発揮する場面
|子どもが主体的にガイドする「参観日」
アメリカの参観日は、先生が完璧なものを見せるというよりも「子どもが自分の言葉で親に伝える場所」なんです。自分で作ったツアーガイド帽子をかぶって、一日のスケジュールやこれまでのワークを見せてくれます。
アート系のワークは天井から吊るされて飾られています。「自分はこうで、お友達はこうだよ」とクラス全体の雰囲気を見ることができたり「友達のこのデザイン素敵だよね!」と教えてくれます。
先生と子どものやりとりを見るというより、全員が主体的になって取り組んでいるのが印象的です。参観日は、親と子どもの会話の時間であったり、その他の家族との交流の場所になっています。
先生との距離が近くてやりとりが多いことで「今の子どもの状態」にすごく関心がもてるというのがアメリカの教育だなと思います。子どもは、自分のことを話して聞いてくれる存在がいるので「違ってもいいんだ」「ぼくはこのままでいいんだ」と自分の意見を大事にするようになったなと感じます。
|私たちが日本にいながら取り入れられることは?
たくさんの写真を交えて、リアルなエピソードを具体的に聞きながら「このエッセンスをどのように取り入れていくか?」を話していきました。質問もどんどん飛び交いながらこの場でしか聞くことができない特別な時間となりました。
ー このような質問にお答え頂きました。
💡子どもそれぞれの意見を尊重することと、意見の食い違い・喧嘩になること等をどのように折り合いつけて「仲直り」までいくのですか?
💡幼稚園時代も同じような先生のスタンス、教育なのですか?
💡宿題はどのようなものがあるのですか?
💡飛び級ありきだとしたら、成績の評価はどのようにしているのですか?
💡リーディングログ(読書チェック)で学校から出される質問リストはどのようなものがありますか?
💡アメリカならではだと感じる「叱り方」のエピソードはありますか?
あきかさんからはさらに「学校が行う幸福感チェック」「家での親のフォローについて」「先生の声かけ」等、リアルなエピソードをシェア頂き、座談会ならではの凝縮した時間となりました。
〈メンバーの声をご紹介〉
先生や保護者の大人の関わり方や声かけスタンスは日本とは違うのだなと感じました。
何を学ぶかも違うのでしょうけれど、どんな大人と接しているか?は違いがあるのだろうなと思いました。心理的安全性がある場所でのびのびと子どもたちが学べるのはとても羨ましいな〜と思います。日本でもそういった大人にふれられる機会を作れたらいいなと思います。
「この子はこの子でいい」と思っている反面、「この子が合わせられないと学校で苦しむだろうな、大変だろうな」と思って色々言ってしまうこともあるので、とてももどかしいですが、うまく取り入れていきたいです。
子どもが絵本が好きなので、自分の絵本を紹介するということだったらすぐに取り入れられそうなので、家族全員で「好きな絵本を紹介する会」をやってみたいと思います。
親ができることとして興味があるのは声かけの部分です。私も「〇〇しなさい」と言ってしまうことがあってジレンマに陥ってしまうこともあるので、そこを意識的に変えるだけでも子どもの満足感が変わるのだろうなと思います。
子どものプレゼンがすごくいいなと思って、発言する力や見せ方などいろんなスキルが身に付くと思います。日々子どもと会話していて「言いたいことは伝わるんだけど言葉がまだ出てこない」など気になる部分もあったので、家庭内プレゼンや小さな研究を発表する等、まさに今取り組んでいる「おうちSTEAM」で、子どもの表現力を養うための取り組みを参考にさせて頂きたいなと思います。
子どもが多い分、一人一人の話をゆっくり聞いてあげられないところがあって、一人一人に集中してあげられる時間が大事だなと感じています。みなさんのようにプレゼンする場・発表する場を作ってあげたいなと思います。
たまに学校ごっこをする時があって、発表会をする場面をつくっているのですが、そういった場面で子どもたちの中の誰かが注目を浴びる・拍手されて認められるというのをやっていたなと思い出しました。
楽しいことの積み重ねで、人前で話すことや、人に喜んでもらえる嬉しさを学べるのだなと再確認できました。
ー次回は、ゲストからのメッセージを深く掘り下げ、さらに生活に取り入れるためのトピックを立てた座談会で「私たちらしい子育て観」を探っていきます。
おうちSTEAMプログラムでは視野を広げる・再発見するための座談会を開催。お子さんとのプロジェクトをつくり、遊びを学びを繋いでいきます。
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