前回に続き「おうちSTEAM2022」最終日レポートをお届け。
後半は、お子さんの年齢も上がってきて「どのように伴走していくか」と自身の子育て観を見つめてシェアしてくださったメンバーの10週間をご紹介します。
ワークとおしゃべり会を軸に「遊びと学び」をつなぐ独自の体験をつくる【おうちSTEAMプログラム2022】を開催しました。ワークシートの内容も更にパワーアップ。プログラムでは、ゲストを交えた座談会やメンバー同士のおしゃべりで、それぞれの子育て観を見つけました。
>前半:ワークとおしゃべり、遊びをつくる10週。自分らしい子育て観を見つけた「おうちSTEAM2022」最終日レポ
|子どもが自分を素直に出せるところを求めていきたいと改めて実感(ミチコ/7歳・5歳)
毎日、子どもたちと白玉をいっぱいつくってます(笑)
たまたまお団子作りをしたことに子どもたちがハマったんです。今では粉を計量し水を置いておくと、子どもたちが二人でつくり始めるんです(笑)
以前ブルーベリージャムを混ぜて白玉を作ったとき、白玉が灰色になって石のような見た目になりました(笑)そして彼女たちは、トッピングのきなこが砂浜に見えたらしく「海みたい・・!」と話していたんです。
そこから「次は海の世界を作ってみたい!」ということで、テーマは『白玉団子で海の世界を再現してみよう!』にしてみました。
事前にクックパッドで白玉団子のレシピを色々調べて、材料を準備しました。
当日は子どもたちに任せて「どうなってもいいからやってみたらいいかな」と思って見守りました。
白玉で形をつくるのが初めてだったので「どうやって作ろうか?」と試行錯誤していました。自分たちで海の生き物のフィギュアやレゴ・図鑑をみながら、イルカやアザラシを作っていました。
最初は「お母さんどうしたらいいの?」と言っていたのですが「とりあえずやってみて!」と任せてみたら自分達でやっていました。粉からこねるのが楽しいみたいで、お昼ご飯をはさんで長い時間集中して作っていました。気がつくと長女と次女で自然と分担して作業をしていて、生き物の細かい部分をネットでも調べて確認していました。
生き物の進化について話すきっかけになりましたし、そんな話に広がるとは全く思わなかったので発見がありましたね。
ワークシートを書いてたときは、テーマが白玉になるとは想像せず、最初は粘菌や鉱物をテーマに考えていました。本人が「白玉作りたい」とずっと言っていたので「これもSTEAMにつながるかな」と考えてやっていると、どんどん発展していくのが面白かったです。
10週間のワークやおしゃべり会では「環境」というワードにピンときました。子どもがHSC(Highly Sensitive Child:非常に敏感な子)なのかなと感じる部分があって、良くも悪くも環境の影響を受けやすいので「教育環境」を考える機会を持てたのがよかったです。
最近よく言われている「心理的安全性」を大事にしたいですし、子どもが自分を素直に出せるところを求めていきたいです。
|予想以上に難しい「伴走」。本人にまかせてみることを繰り返した中で、大事にしたい子育て観を発見(さくら/4歳・2歳)
テーマは『手のひらSEA』です。片栗粉で手の中におさまる海をつくろう!というものにしました。最近、海の近くに引っ越してきたので「海に興味をもってほしいな」と思ったのがきっかけです。
まず食物連鎖の話をするきっかけになればと「うみのほん」という絵本を読んだんです。この絵がとても可愛かったので、この絵をプラバンでなぞって色つけをしてもらいました。
(出典:Amazon『うみのほん – たべものリレー』文化出版局)
1回目のチャレンジではマーカーが滲んでむずかしく、ほぼ私が色つけをやりました(笑)
オーブンに入れて小さくなるところを一緒に観察したり、オーブンから取り出す、本の間に挟んで平らにするといった作業を一緒に行いました。片栗粉と水・フードカラーを使って片栗粉スライムの海をつくってあそびました。
後日、プラバンをリベンジしよう!ということで、息子がお月様や線路などを自分で書いていました。オーブンで温めるときに少し失敗してしまったのですが、息子が「もう少し短い方がいいかも?」と改善案を提示してくれて複数回のチャレンジにつながりました。
1回目で終わりではなく2回目のリベンジをしたことで、息子が積極的に意見をだしてくれたのがよかったです。
私自身、子どもが何かやっているのを見ていると、つい手を貸してしまいたくなってしまう部分があるんです。
「本人に任せる」というのが予想以上に難しく苦戦しましたが、私は全く別のことをやりながら、本人に自由にやらせるよう意識しました。
片栗粉スライムづくりでも「もっと水が欲しい」など本人が要望してくる時以外は、あえて放置することで「なるべく本人に任せてみる」を実践しました。
今後も「手出ししすぎないこと」は課題で、どこまで伴走するかを試行錯誤しながら子どもと過ごしたいと思います。
元々特別なものだと思っていたSTEAM教育ですが、実は「生活の中で何にでもつながっているんだ」と感じましたし、子どもを観察して本人が自発的にやっていくことを大切にすれば良いのだな、と気づきました。
特別なことをやるとか、何をやるかというよりも、本人の自発性や主体性が大事だと実感しました。
プログラム中の「子育ての世界観を見つめるワーク」では、子どもの将来を難しく考えていたのかもとハッとしました。
今まで「毎日英語学習したほうがいいかな?」「プログラミングかな?」「毎日プリント学習?」「公立じゃないほうがいいの?」と色々焦っていたんです。
ワークシート中の問いから自分の子育て観を考えると、プリント学習や学歴だけではない、大切にしたいことを深く考えられたのがよかったです。
これからは気候も良くなるので車中泊やキャンプもやってみたいですし、子どもの興味の輪を広げつつ、得意なことも観察や対話から見つけて伸ばしていけたら良いなと思います。